基本は12種類なのに、博士晩年は11種類だった?
現在のシュスラーソルトでは「基本の12種類」という説明が広く使われます。
しかし、創始者シュスラー博士の晩年の著作を読むと、一つの意外な経緯が見えてきます。
除外されたのは Calcium sulfuricum
当初の体系には硫酸カルシウム(Calcium sulfuricum)が含まれていました。
ところが博士は、1898年の『An Abridged Therapy』の第79頁で、この塩が生体の「恒常的な構成成分」とは考えられないと述べ、彼自身のバイオケミーの体系から除外する判断を示しています。
代わりにNatrium phosphoricumとSiliceaを考慮するよう述べています。
この判断の妥当性を現代の科学が認めたという意味ではなく、博士自身が体系を固定的なものとして扱わず、当時の知見を参照して修正したという歴史的事実が重要です。
なぜ現在は12種類なのか
博士の死後も実践や商品化が続き、Calcium sulfuricumは通常の基本12種類に含まれるようになりました。
ドイツの現行製品一覧でも欧州式No.12として掲載されています。
そのため、「博士が生涯を通じて12種類を変えずに推奨した」「No.12は博士の晩年にも推奨されていた」といった説明は正確ではありません。
逆に「現在の12種類は誤り」と断定することも、後世の体系を理解するうえでは適切ではありません。
歴史上の二つの段階を分けて読むのがよいでしょう。
番号の混同にも注意
Calcium sulfuricumは英語圏のアルファベット順ではNo.3、欧州式ではNo.12です。
No.18のCalcium sulfuratum(硫化カルシウム)は別の塩なので、名称の末尾の違いまで確認してください。
参考資料
- W. H. Schüßler, An Abridged Therapy, 1898, p.79: https://wellcomecollection.org/works/djnvec8d
- Dr. Schüssler Salze, 1〜27の製品一覧: https://www.drschuesslersalze.de/sortiment/